サステナビリティへの取り組み
ACTIVITIES脱炭素社会到来を見据え、事業ポートフォリオの組替えを実現
当社グループは、脱炭素社会到来を見据え、2024年3月期に祖業である石炭生産・販売事業から完全に撤退し、全く異なる新規事業をグループ化することで業態転換を実現しました。
近年は「SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)」の達成に向けた取り組みが世界の潮流となっていますが、当社グループは、事業活動を通じて社会課題の解決を目指していく中で、SDGsの達成にも貢献できると考えています。
今後も引き続き、あらゆるステークホルダーからの要請・期待に応え、持続可能な社会の発展に貢献すべく取り組んでまいります。
SDGsへの貢献(主な取り組み)
下記のグループ各社の会社名を「クリック」いただくと、取り組みの詳細をご覧いただけます。
日本ストロー株式会社
バイオストロー®においてBP90(バイオマスプラスチック度90%以上)を取得
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プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題になるなか、国内ではプラスチック資源循環促進法の施行に伴い、プラスチック廃棄物の排出抑制、リサイクル促進等の対応が求められています。日本ストロー株式会社では他社に先駆け、環境対応素材(バイオPE(植物性由来)、海洋生分解性)を用いた環境にやさしいストローを取り揃えており、プラスチックによる海洋汚染問題の解決に貢献するとともに、消費者が安心して選択できる製品作りに取り組んでいます。
植物由来のバイオマスプラスチックストローについては、2022年度に100%バイオPE原料によるストローの量産化を開始したことに伴い、バイオストロー®(伸縮タイプ)において、BP90マークの認証を取得しました。
「BP(バイオマスプラ)」マークは、日本バイオプラスチック協会の識別表示制度により取得可能なマークです。数字はその製品に使われているバイオマスの割合を示しており、数字が大きいほど製品ライフサイクルにおける温室効果ガス(CO2)の排出量削減効果を見込むことができます。
ストローのリーディングカンパニーとして、今後もさらなる環境配慮の要請にお応えしてまいります。
株式会社明光商会
営業ツールの材質変更による環境負荷低減と地域貢献
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株式会社明光商会は、オフィス用シュレッダーのリーディングカンパニーとして、開発・製造から販売・アフターメンテナンスまで一貫して自社で行う強みと、長年培った熟練の専門技術を活かし、地域とお客様に密着した活動を60余年にわたり続けています。
従来から、一部梱包材の素材変更やカタログ電子化などに取り組んでまいりましたが、2023年度は創立65周年記念で作成したファイルを、従前のプラスチック製クリアファイルから紙製へ材質変更し、環境負荷のさらなる低減に努めました。なお、このファイルは廃棄の際にシュレッダーで中身の書類ごと細断することができ、古紙としても廃棄が可能です。
また、タイにある子会社のT SECURE INTERNATIONAL CO., LTD.では、従来からインターン学生を受け入れてきたほか、同社近隣に所在する学校のイベントや、学舎改築・修繕に協賛し、地域社会への貢献活動にも努めています。
株式会社ケイエムテイ
ペットフードの輸入時梱包材のリサイクル活動
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株式会社ケイエムテイでは、飼い主が愛犬・愛猫を想う気持ちを大切にし、原材料に細心の注意を払って「食事=予防医療」をコンセプトとしたペットフードを開発・販売しています。
海外のプレミアムフードの日本正規代理店でもあるケイエムテイでは、ペットフードを輸入する際の梱包材等のリサイクルに積極的に取り組んでいます。
輸送・保管のためにフードを載せるパレットに巻かれるストレッチフィルムについて、使用済みフィルムの全量を近隣のストレッチフィルムメーカーに供給し、同社が再生原材料で作ったストレッチフィルム・ポリ袋等のオリジナル・リサイクル商品化に役立てていただくともに、そのリサイクル商品を再度仕入れることで廃棄物削減、資源の循環に寄与しています。その他、段ボール素材や木製パレットのリサイクル活動にも取り組み、環境に配慮した循環型社会の実現を推進しています。
株式会社システックキョーワ
「樹脂引手」がお客様主催の環境配慮活動で奨励賞を受賞
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株式会社システックキョーワは、住宅関連の様々な部品を開発・製造する総合メーカーです。家具、内装、インテリアのパーツについて、商品開発設計・金型製作・成形加工~塗装~組立まで一貫生産を行い、業界内で高いシェアを誇っています。提案型企業として企画から製造、販売までトータルに対応して新製品を次々と創り出し、お客様の高度化、多様化するニーズや価格、納期、品質に対するご要望にお応えしています。
お客様とともにより良い製品づくりに取り組む中で、販売先のお客様社内における環境配慮活動において、審査の結果、販売中の製品「樹脂引手」が奨励賞を受賞しました。
「樹脂引手」は引き戸の開閉時に手掛かりとなる部品です。従来のアルミから樹脂へ材質変更を行うことでコストダウンとCO2排出量削減を実現するとともに、本体とジョイント(扉の表と裏から部品をはめ込む際の連結部分)を別パーツに分けることで製造も取付作業も簡便になりました。ジョイント部分については特許も取得しています。これらの改善点が「サプライチェーンの全プロセスを通じて温室効果ガス削減やコスト合理化を目指す」という環境配慮活動において評価され、受賞につながりました。
また、タイにある子会社のタイシステックキョーワは主力工場として稼働しており、2024年からソーラー発電設備を導入。これにより電気使用量の約20%削減を達成し、同時にCO2排出量削減にも寄与しています。
今後も社会的意義のあるサステナビリティ活動と、価格競争力の高い製品づくりの両立につながる活動を推し進めていきます。
MOS株式会社
FSC® COC認証(FSC®C171370)の取得と認証維持に向けた活動
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MOS株式会社は、感熱レジロール加工販売において業界No.1のシェアを誇る企業です。1962年にレジスター用ロールペーパーの製造販売業として創業して以来、仕入先との良好な関係の下で高い加工技術力と生産能力を培い、大量発注や少量多品種の需要にも迅速にお応えしています。
「FSC® COC認証認証」は、FSC®(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)による認証の一つで、森林管理の規格を満たした認証林やその他リスクの低い原材料が、消費者の手に届くまでの加工・流通過程(管理の連鎖:Chain of Custody)において不適格な木材と混ざってしまわないことを確認するためのものです。FSC®の定めた細かい規格、ルールを満たす業者のみ受けることができます。
MOS株式会社では、感熱ロール紙を対象として、会社全体(各拠点)で毎年認証の維持審査を受けています。主に紙製品を扱う企業として、また、業界シェアトップ企業としての責任感を持ち、持続可能性に配慮した製品づくりを今後も継続してまいります。
CST株式会社
工場の製造部門集約による電力量削減
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CST株式会社は、国内初のマスクブランクス専業メーカーです。「マスクブランクス」はガラス基板上に金属膜と感光膜をコーティングしたもので、これに回路パターンを形成したもの(フォトマスク)がいわゆる原版として薄型テレビの画面やPC・スマートフォン等の機器内部の複雑な電子回路の製造に使用されます。フォトマスクを写真のネガに例えるなら、何も撮影されていないフィルムがマスクブランクスであり、多様化するエレクトロニクス製品の開発・製造において不可欠なものと言っても過言ではありません。
フォトマスクの製造は高度な精密さを要求するため、工場内の作業場所は「クリーンルーム」と呼ばれる清浄な空間に維持する必要がありますが、クリーンルームの稼働時は24時間空気を循環させ、温湿度を一定に保たなければならず、電力使用量が非常に多くなります。
CSTでは2023年9月末に江刺工場の一部製造部門を本社工場へ集約し、工場内のクリーンルーム稼働を合理化したことにより、電量使用量を前年比29%削減し、CO2排出量の削減に貢献しています。
三生電子株式会社
装置移送時の片道トラック便の活用
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三生電子株式会社は水晶デバイスの生産に必要な製造装置及び計測機器を製造・構築し、水晶デバイスメーカーに対し販売を行っています。水晶デバイス製造工程のうち組立から検査まで幅広くカバーしたインラインシステムを構築可能な国内唯一の装置メーカーです。
同社は社内で設計した装置について、加工、組立、配線などは外注にて行い、完成品を再度三生電子へ移送して、初期流動管理や品質検査を行った上で出荷しています。2023年度に、外注で完成した装置移送のためのトラック手配方法を、チャーターから片道便に変更しました。
一般にトラックが荷物を積み、配達先で荷をおろした後、帰りを空荷で戻ると帰り道には人件費、燃料代、高速代などの費用だけが発生してしまいます。そこで、帰り道に別の新たな荷物を積むことで、運送各社はトラックの帰社費用をカバーでき、荷主は通常よりも安価で配送サービスを受けることができます。このような片道トラック便を積極的に使うことにより、運送コストの削減に加え、トラックにおける燃料消費の削減や運転手不足の問題にも貢献できると考えています。片道トラック便はチャーターと異なり、ある程度の時間的余裕が必要なため、移送を計画的に管理する必要がありますが、その負担以上に大きな効果を見込んでいます。
株式会社プラスワンテクノ
児童養護施設への寄付と、男性社員の育児休業取得推進
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株式会社プラスワンテクノは、福岡県北九州市に本社を構え、主に食品の計量装置の製造を手掛ける会社です。ふりかけ、茶葉、刻み海苔などコンマ単位の軽量領域というニッチ市場でトップシェアを誇っており、パイプフィーダ式自動計量機においては業界シェアNo.1となっています。個別受注生産により、お客様の製造ラインに合わせて開発・改良した計量機をインスタント食品やペットフード等、生活に身近な製品の製造ラインでご使用いただいています。
プラスワンテクノでは、未来を担う子どもたちの教育に資するべく、毎年12月に児童養護施設への寄付を行っています。「自分がほしいものを自分で選んで買うという楽しみを感じてもらいたい」という想いから、子どもたちに「体験を提供する」方法での貢献に努めています。
また、働きやすい職場づくりの一環として、男性社員にも育児休業を取得しやすい環境づくりを行っており、2020年度からの育児休業取得対象者全員が育児休業を取得しています。今後も対象従業員に対して制度説明を丁寧に行い、制度が有効に活用される職場環境を維持していきます。
株式会社ジャパン・チェーン・ホールディングス
(ゼクサスチェン株式会社)
国土強靭化計画の防災インフラ関連設備への提案の強化
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(ゼクサスチェン株式会社)
株式会社ジャパン・チェーン・ホールディングスは、傘下に株式会社杉山チエン製作所、ゼクサスチェン株式会社及び MAXCO Chain, Ltd.の3社を擁し、グループとして産業用ローラーチェーン及びコンベヤチェーンの製造・販売等を展開しています。
1910年のチェーン生産開始以来、国内外の様々な産業のお客様から高い信頼を獲得しており、特に動力機械伝達用のローラーチェーンは、フルラインナップの品揃えで国内外のお客様より高い評価をいただくとともに、水処理施設向け等の大型コンベヤチェーンに係る国内市場においてトップシェアを誇ります。
日本では東日本大震災をきっかけに、国土強靭化基本法が制定されており、その五つの基本的方針の一つが「国民の生命と財産を守る防災インフラ」です。ゼクサスチェン株式会社では、特に河川の整備のための除塵機(農業用水路の上流等に設置し、流れていく塵芥(草、流木、生活ごみ、獣等)を除去する装置)向けチェーンの設計、製造、販売を行っています。各河川の性質・環境に合わせ、除塵機に最適なチェーンの素材、硬度や形状を設計提案することで年々受注が増加しており、インフラ整備を通して災害に強いまちづくりに貢献しています。
港倶楽部オペレーションズ株式会社
地域貢献・社会的弱者への支援
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港倶楽部オペレーションズ株式会社は、三井松島ホールディングス(株)が取得した福岡県大牟田市の「三井港倶楽部」の運営を行うため、2019年に設立されました。三井港倶楽部はもともと三井グループの迎賓館として建てられ、明治を代表する西洋建築の傑作といわれる建物です。大牟田市有形文化財、経済産業省近代化産業遺産に指定されており、現在は本格フレンチレストラン・結婚式場として営業しています。
三井港倶楽部は、単なるフレンチレストラン・結婚式場であるにとどまらず、食の美術館として地域の文化を守り育て、地域の皆様からも心を寄せていただける場であることを目指しています。地域に役立つ活動の一環として、障がい者支援施設利用者への敷地内のプランターや駐車場の整備作業の委託、近隣の特別支援学校の生徒を対象としたテーブルマナー講習を実施しています。
由緒ある建物を受け継ぐ企業として文化財の重要性を後世へ承継するとともに、これからも地域のお役に立つ施設であり続けるための取り組みを継続していきます。